上橋菜穂子(偕成社)
エッセイを読んだらやっぱりまたあの世界に行きたくなって、
買ったままになっていた「守り人外伝」を手に取りました。
今回の旅のテーマのひとつとなっているのが「弔い」。
それは、逝った者、残された者、どちらのためのものなんだろう。
いつまでも同じ道を歩んだり交差点で待ち合わせができるわけではないのに、
私たちはその時間を満足に使えないでいる。
限りあるようで、
しかしほんのちょっとの思い切りで作り出せたりもするその時間を大切にして、
せめて自分が伝えたい想いを届けられるひとでありたい。
「人はみんな、どこか中途半端なまま死ぬもので、大切なことを伝えそこなったな、と思っても、もう伝えられないってことがたくさんあるんでしょうが、自分では気づかぬうちに伝えていることも、あるのかもしれない。」
「……。」
「父と過ごした日々のあれこれは、わたしの身にしみこんでいて、ふとしたおりに浮きあがって、道を示してくれたりする。思いは血に流れてるわけじゃなくて、生きてた日々のあれこれに宿っているものなんでしょう。」
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