後藤正文(ミシマ社)
アジカンのゴッチ、というより文筆家のゴッチのファンだ。読むのはこれで2冊目。
本書は、スタジオ作りと楽曲制作ににまつわる冒険譚。ホームセンターに何度も走ったり、便器について調べたり、カニかまぼこについて真剣に考えたり。
担当編集の方のコメントによると、(書き手の)同業者からの反響が大きかったそうで、玄人にも受ける言葉のセンスなんだなとますます好きになる。
音楽に疎い私でも、スタジオや曲作りの様子を想像しながら楽しく読めました。
風味かまぼこのなかから本格的な何かが誕生し、それ自体がある種の新しい象徴を担うことで大衆音楽は新陳代謝を繰り返しているが、スタジオも含めて、その場所でしかできないこと、その機材でしかできないことの重要性もまた、多くのミュージシャンが感じ続けていることではないだろうか。(「パンクロックなカニかまぼこ」より)
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